

疑似収集型ミッション、帝国大戦 第十陣が開催されました。

ハイドースとの戦いが終わった帝国だったが、念入りに戦闘訓練を行っていた。
平和は訪れたが、平和というのは次の戦争への準備期間でもある。
大きな戦いを乗り越えた後で兵士たちの中には気が緩んでいるものもいるが、引き締めるため、厳しく訓練を行う。
決して次の戦いのあてがあるわけでは無いが、様々な国、民族、種族が併合され成り立つ帝国では、誇りの問題もあり、平和をただ享受しているわけにもいかない。
今回の大規模な戦闘訓練は、今後帝国が直面するであろう数々の試練に対応するため。
帝国を解体することなく継続し、なおかつ、平和を可能な限り維持するためには、避けては通れない問題が山積みなのだ。
帝国には多数の民族が存在しており、それらとの対話なくしては、帝国の未来は無い。
だからこそ、兵の気を引き締める必要がある。
戦闘訓練を経て、兵の士気は落ちていないことを確認する。
そして、皇帝はあの者が動き出すなら今しかないと予想していた。
予想は見事に的中し、ベラート伯爵領から大規模な軍勢が出立したと伝令が入るのだった。
帝都に辿り着いたベラートは逡巡していた。
自身の人生に何を残すことができたのか。
娘たちは皆嫁ぎ、孫の顔を見ることもでき、男児には恵まれなかったものの、末娘は館に残り、自身を支えようとしてくれている。
私腹を肥やし、人脈を作り、およそ伯爵家として想像しうる、ありとあらゆる権益を貪りつくした。
これ以上など、望むべきではないのかもしれない、と。
伯爵領の騎士は、伯爵領にはベラートが必要なのだと言うが、ベラート自身は悪徳貴族という言葉を辞書で引けば、そこには自分の名前が最初に乗っているだろうと自嘲する。
だが、ベラートがどうしようもない腹黒で、底なしの野心家で、金と利権に目のない男だということは領民は皆知っていると言う。更には、窮地にはすぐに部下を切り捨てるし、汚い手段も涼しい顔をして選ぶし、およそ帝国貴族にはふさわしくないとまで言った。
それでも、領民は幸せな生活を送っており、伯爵領は、帝国内でも指折りの豊かな領地だと。それらはすべて、ベラートの手腕があってこそであるのだから、皇帝の首を取れと命じてくれれば、伯爵領に恩義ある騎士一同はベラートの代わりにいくらでも命を捧げると言い切る。
その言葉を受け、ベラートは末娘と、領民、そして兵たちの家族の未来を勝ち取るため
戦いを決意し、さらなる甘い汁は望まず、ハイドース亡き冥界などちょろいものだと次は冥界で成り上がることを決めて、帝国法に則り、皇帝へと決闘を申し込む。
伯爵領の全軍で来るならば、対抗するは帝国軍。
最新の兵器に加え、強力な黄金戦車をも用意したベラート軍だったが、帝国軍の大火力の前には敵わなかった。
敗軍の将であるベラートに、皇帝は語りかける。
『ここで諦めるような男であったか?もしそうであれば、期待外れだが』
挑発とも取れるその言葉にベラートは立ち上がり、正当な血統であるアンジェリーネが、初代皇帝ヴィラヘルムが、誰が皇帝を認めようともは絶対に皇帝を認めないと叫ぶのだった。
黄金戦車を再起動させ、再び戦いに挑むベラート。
限界を超えた駆動に今すぐ爆発しそうな黄金戦車だったが、案の定戦いの最中に勝手に爆発した。
皇帝は期待外れだったかとベラートに何かを期待していた素振りを見せる。
そこに、ベラートの末娘であるベラドンナが現れ、皇帝に言葉の撤回を求めた。
そして、父であるベラートが鎧と戦車だけを持って行き、伯爵領の誇る最強の武具を置いて行ったことを責める。
魔剣に選ばれしじゃじゃ馬娘ことベラドンナならば、その家宝の剣を持ち出せば王国なりどこなりとも匿って貰えるだろうと、睡眠薬を盛り置いて行ったベラートの親心だったのだが、睡眠薬に気付いていたベラドンナは食べたふりで捨てていたらしい。
悲しいかな、これも毒殺対策を幼い頃から仕込み続けた成果である。
そして、ベラドンナは帝国法に則り皇帝に決闘を申し込む。
戦車から脱出したベラートも再び剣を取り、悲嘆の薔薇こと魔剣アングルヴァダルを手にしたベラドンナと共に再び帝国軍に戦いを挑んだ。
だが、それでも帝国軍と皇帝の前には敵わない。
ついに負けを認めたベラートとベラドンナ。
首を刎ねろというベラドンナだったが、ベラートが自身はどうなってもいいから、娘の命だけはと命乞いをする。
さしもの皇帝も、この光景では自身が悪者のようだと少々気まずい様子。
処分を法に則るならば、伯爵らの身柄は帝国法務院にと進言があったが、決闘においては例外が認められるはずだと皇帝は言う。
改めて皇帝に敗北し、これまでのクーデター、冥界軍との内通、帝国領土の毀損、あらゆる罪がベラートにあるということをベラートに認めさせた。
であるからして、伯爵領は末娘のベラドンナに継承することを命じた。
そして、ベラートには、皇帝の下で働くこと、白の帝国貴族の名にかけて、その血の全てを帝国に捧げることを命じる。
予想外の沙汰にベラートも間抜けな声を上げて返事もままならない。
それでは兵が納得しないのではないかというベラドンナの疑問も尤もだが、それは今後の働き次第であり、これまで帝国の血肉を啜ってきたのだから、今度は、その人脈と悪知恵を干からびるまで使わせてもらうと皇帝は言った。
その言葉を受け、ベラートとベラドンナは帝国のために心血を注ぎ働くことを誓うのだった。
ベラート関連のごたごたが終わり数日後、帝国軍はダークエルフの居住地に講和交渉に来ていた。
講和交渉にあたっては王国より王子が、魔界よりアスバールが立ち会う。
始まった講和交渉では、ダークエルフ達はすでに結論が出ているらしく、その代表たる族長のイルヴィは白の帝国との講和と、平和的関係を望んだ。
そして、正式に帝国の民となること、帝国臣民として、民の安全を要求した。
もとより、近隣の帝国都市とはあれこれ商売をして、関係を持っていたのだから、よそ者から仲間になれるのならば、それで構わないと言う。
皇帝も、イルヴィ族長を帝国貴族として叙爵し、帝国のダークエルフのため存分に働くことを提案した。
それを承認したシルヴィは、ダークエルフは負けてないということ、そして今後は正々堂々、武を競い合うため、アスバールの立ち合いのもと、ダークエルフと帝国軍との模擬戦を挑むのだった、が当のイルヴィは帝国貴族として帝国軍の側で戦うことになるのだった。
全ての力を出し切って戦ったダークエルフ達の武技を誉め、誇り高きダークエルフ達を称える皇帝。今後は友として、共に国土を守っていくことを望んだ。
やり取りを見ていたベラドンナは皇帝陛下が変わったことを感じ取っていた。
それはある男の影響もあるが、決してそれだけではなく、剣を交えてこそ感じ取れるものがあったからなのだろうとアンジェリーナは言った。
その皇帝を見て、帝国はいい国になるだろうと言うベラドンナだったが、いい国にするのは皇帝だけではなく、帝国貴族、つまりベラドンナ達の仕事でもあるとアンジェリーナに諭されてしまうのだった。
次に向かったのはオーク領。
既に臨戦態勢で、一触即発な雰囲気の皇帝と新たなオークロード。
先代のオークロードを斬ったことで、いきなり襲われるのではないかと警戒していた皇帝だったが、先代が認めた男をと刃を交えるのならば正々堂々だろうと現オークロードに言われる。
オークの流儀を甘く見ていた皇帝は、その刃と誇りに対して謝罪をした。
そして、改めて、オークロードに白の帝国に望むことを尋ねる。
オークロードの答えは、何も望まず、これからも戦いに生き続けることだった。
だが、オークロードは馬鹿でも愚かでもない。戦いに流儀があるように、国に法があることも理解している。
帝国法に則り、正々堂々と、決闘の場で皇帝の首を叩き落すことを宣言する。
それを受け入れた皇帝は、そのために、オークの部族には現在の居留地を正式に領土として与え、族長たるオークロードには爵位を与えることを伝えるが、どうにも覇気が無く様子が何かおかしい。
レオナもその様子を心配するが、皇帝は問題ないという。
講和が終わり、オークロードは早速最初の決闘を申し込み、オーク達と帝国軍の決闘が始まる。
戦いの最中、皇帝を前にしたオークロードは剣を収めた。
明らかに皇帝の様子がおかしく、その様は疲労や負傷とも異なり、呪いの類に侵されていることを察したからだ。
万全の状態でない皇帝に勝ったとて、それはオーク達の望む勝利ではないのだ。
衛生兵が皇帝の様子を確かめると酷い高熱を出しており、急遽近くの今は使われていないアダマス神殿へと運び込むのだった。
神殿へとたどり着くと、廃棄されていたはずのその場所は、人の出入りがあるようで綺麗に保たれていた。
そこに現れた人物はアダマス教の神官戦士だと名乗った。
エレオノーラはその人物を怪しみ、神官戦士であるトゥーダを呼んだ。
トゥーダは『この身は金剛、折れぬ刃』と祈りの聖句を詠む。
だが、どうにも反応が鈍い謎の人物。
アダマスの神官戦士ならば、祈りの聖句を詠めぬはずもなく、その人物は神官戦士を騙るものだと見破る。
正体がバレたその人物は、自身と同じく、真なる神に殉ずるものたちに合図し、冥界人を含む軍勢は武器を構えた。
呪いにより倒れている皇帝を守るため、アダマス教を騙る異端者を誅するため、帝国軍も剣を取る。
邪教徒どもを降したが、自決してしまったため、尋問することは敵わなかった。
皇帝にはアダマスの加護があり、この短時間で、人間の神官が編み上げた程度の呪いでここまで容態が悪化することは考えづらい。
ありえない事が起きているのは事実であり、急ぎ帝都へと戻るのだった。
帝都で治療をし、なんとか容態は落ち着いた皇帝。だが余談は許さない。
皇帝への呪いは、おそらくこの世界で最も重い呪いだろうとアウローラは言った。
邪教徒が施した呪いは、とても軽微なもので、いわば、目印をつけたようなものであり、その目印によって皇帝に呼び寄せられたものは、冥界の魔力、そしてタルタロスの魔力だった。
対処法は今はなんとも言えず、ただ確実なのは皇帝に残された時間があと数年だということのみ。
そこに治療によって容態が軽くなった皇帝が起きてくる。
なればこそ、帝国の立て直しのためにも、休んでるわけにはいかないのだ。
敵は向こうからやってくる。
帝国を敵に回すという意味を、タルタロスに潜む者たちに教えてやろうと皇帝は宣言するのだった。
ついに、長く続いたベラートとの戦いに終止符が打たれました。
厄介な人物ではありますが、優秀で人望があるのも間違いは無く、味方になったら頼もしい典型的な人物ですね。
皇帝にかけられた呪いはどうなるんでしょうか。呪いのせいで寿命が数年なのか、呪いに蝕まれたせいで寿命が数年なのか。後者だとしたら、タルタロスの呪いを解いてももうどうしようもない。前者であることを祈りましょう。
次回の帝国大戦はまたしても冥界が舞台になるんでしょうね。