試練型緊急ミッション、人である者、神に生まれた者が開催されました。
物語を見ていきましょう。
王子達が遠征している隙に、天界兵が現れ、一般兵が辛うじて街道にて応戦していました。
遠征から帰った王子の部隊がそこに駆け付け、一般兵に市民の避難誘導を任せ応戦します。今更天界兵などものともしない王子達。
そこに、半神アキレアが姿を見せます。目的は覚悟を決めた者、すなわち王子の顔を拝みに来ただけで、王国軍と事を構える気は無いと告げます。そして、自身は神の道を選び、一方で人の道を選んだ王子とディアスの戦いを見届けると。
しかし、アキレアは王子とディアスの約束があるから王子とは戦わずと言いましたが、最後の戦争をしに来たと言っていることから、物質界のあらゆるところに攻撃を仕掛けに来たとわかります。
アキレアが向かった先は妖怪の里。しかし、妖怪たちも何の準備もしてなかった訳も無く、そこには妖怪総大将と英傑でもある妖怪の王が救援にかけつけているのでした。
どうやら王子はこのことを読んでいたようで、アキレア達の狙いは王子に縁のある者達のようです。ディアスと王子の約束があるから、王子自身に手は出さないが、天界に向かう戦力は削いでおきたいという狙いがあるみたいですね。
しかし、闇討ちのような真似はせず、あくまでも武勲を立てるために正面から攻め入るところにアキレアの矜持が見て取れます。
機械の都にも天界軍は現れました。
しかし、そこには王国軍の誇る機械技師達がいたため、市民の避難、天界軍の撃退を難なくこなしたようです。どうやらそうこうしている内に魔術ギルドの通信網も復活したとかで、王子達が世界各地で防衛線を開始したとの知らせも入りました。
そして、王子に憧れを抱く気弱な魔物たちのところにもアキレアは襲撃をかけます。
気弱な魔物たちの強さと覚悟を認めますが、揃いも揃って王子に頼っていることに憤りを感じ、魔物たちを仕留めにかかるアキレアですが、その一撃を間一髪で王子に止められます。
そして、王子の首は取らないとしていたものの、向こうから来た場合は例外と王子と戦っても問題ないとしたようです。
戦いの前にアキレアは王子に問います。どうして京大な力を持つ神になることを選ばなかったのか、戦士にとって誉である武勲だって手に入る。
王子は答えます、武勲はいらない、欲しいのは皆を守る力だと。
アキレアは重ねて問います。これから人間であることを選んだがために手が届かなかったということが起きるだろう、お前は神になることを恐れて逃げているだけではないのかと。
王子は問いで返します。どうしてお前は迷っている、神になると選んだことを後悔しているのかと。
問答はここで終了し、神速にして不死身の半神であるアキレアとついに衝突します。
アキレア率いる天界軍をケンキョこと気弱な魔物たちと共に迎撃した王子達。
アキレアは先の問答の答えは、この戦いの先でわかるはずだと言い、次の戦場へと向かいました。どうやらアキレアは戦いにこそこの世界の意味があると考えているようですね。
元魔王軍に所属し、今は王子達と共に世界を守らんとしている者達が多く所属している開拓村にも天界軍の手は伸びていました。実力者が多数所属する場所でもありますから、天界の判断は正しいと言えます。
天界軍を迎撃していたガオレオン達ですが、そこに天界軍の指揮官である神聖騎士団長が姿を現します。天界軍を相手にし続け、傷ついた身体ではさしものガオレオンも、というところに魔王軍以前の記憶を失ったままのデシウスが神聖騎士団長の前に立ちはだかります。神聖騎士団長はどうやらデシウスのことを知っているようです。
記憶を失ってもデシウスはデシウスであり、開拓村の人々を守るために神聖騎士団長と刃を交えるのでした。
神聖騎士団は時間稼ぎだったようで転移魔方陣で撤退していきました。
これも王子は読んでいたようで、アキレア率いる天界軍の本当の狙いはアイギス神殿のようです。
アイギス神殿の前についに天界軍本隊が姿を見せます。
そこには遠くからでも姿を確認できる、山ほどの大きさの木馬も居ました。
それは千年戦争時代に女神アイギスが作った神獣だったようですが、伝承の姿とあまりにもかけ離れていて、まさに木馬としか形容出来ない見た目になっていました。
どうやら、元々兵の輸送を目的とした特殊な神獣だったようで、改造され敵の手に落ちてしまったようです。おそらく大量の天界の戦力を積んでいるであろう木馬を相手に戦うことになるのでした。
木馬を一時撃退はするものの、腐っても女神アイギスの作った神獣であり完全撃破とまではいきませんでした。
改めて姿を現したアキレアは王子に問います。人が神に見初められたものは多くとも、人が神に打ち勝った話はそう多くない、王子だって神の力無しにガリウスに勝てたわけではない、諦めないなんて言うだけなら簡単、それをやり遂げる覚悟と実力はあるのかと。
王子はそれに答えません。覚悟はあれど、実力については自分だけの力でどうにかしてこれたわけではないと理解しているからです。
王子の覚悟は認めつつも、それだけでは勝てないことも理解しているアキレア。
アトナテスの問いに、アキレアは自身で選んだつもりだったが、自身が神か人か選ぶあの時に守りたい者を守るために、人であることを諦めたんだろうと答えます。
そんなアキレアに対し、王子は一緒に来ないかと誘いました。アキレアは誘いに乗るのも悪くないと言いますが、その前にやらなくちゃいけないことがあるといい、それこそが世界最期の戦争だと宣言しました。
世界最期の戦争という言葉の意味は、王国を終わらせるということではなく、ディアスが術式を完成させれば争いのない理想の世界が訪れるということであり、この戦いは時間稼ぎであり、あくまでも物質界を救うための戦争、自身の戦いはいつだって救うためだと言います。
戦争、武勇、誉れを至高とするアキレアがそれに加担するのはおかしくないかという問いに対しては、肯定しつつも、力の無い奴らが泣くのは我慢ならずその者達が救われるならば自分の願いや願望など必要無いと。
これこそが『神になると選んだことを後悔しているのか』と問うた王子への回答であり、その後悔を誇りに思っている、守りたいものを守るために人を捨てたのだから、もう一度同じ選択をし、世界が自身にとって味気ないものになっても構わないと言い放ち、木馬へと乗り込み世界最期の戦争が開戦しました。
木馬を撃破するも、敵軍の勢いは止まらず、王国軍は戦線を神殿まで下げることに。
言い訳に言い訳を重ね、全てを諦めているだけ、誰かの理想のために自身の理想も諦めているだけだと言われ、アキレアは激昂します。争いも無く感情の揺るぎも無い世界は死と同じ、人類は存在しないも同然ということを一番理解しているのだろうと問われたアキレアは、自身の居場所である戦場でも苦しまなきゃいけないことに葛藤することになったのでした。
アキレアは亜神ディアスの目指す世界とは死んだように生きるただそれだけの世界とわかってはいても、自身の手の届かないどこかの誰かの悲しみを救うことができる、人は弱すぎるから神が守ってやらなきゃいけないんだと言います。
しかし、王子はそれを言い訳と一蹴し、自分の手が届かないからといって諦めるな、何も無かったことにするのは救いではないといい、アキレアとの直接対決が始まりました。
アキレアを打ち倒し、戦闘も終わったかと思いましたが、空にはオリュンポスが。
見えているのはオリュンポスそのものではなく、地上界にまで見えるように膨れ上がったその魔力の影のようです。
今から始まるのは、悪たる者、争いの種になるもの根こそぎ全ての剪定だとアキレアが教えてくれました。
アキレアは自問のように、そこにはいないディアスに対し疑問を口にします。
罪のない人間なんてこの世にいないだろう、今まで何をしていないやつだって、いつか誰かを傷つけるかもしれない、永遠に罪を犯さないやつなんていないのに、勝手に殺すやつを決めていいのかと。
それを聞いたアトナテスは、全部救うと一方的に決めるのが神なら、全部殺すって一方的に決めていいのも神だと言います。
アキレアは皮肉のように神なんてクソじゃねぇかと呟きました。
そして本当の誇りたるは何かを思い出したかのように、その理不尽な雷撃から人を守るために雷撃に立ちはだかり、戦陣の力でそれを守り抜きました。
もちろん、王子は仲間を見捨てて逃げることなどせずに、ディアスを裏切ったアキレアを迎え入れるのでした。